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【日本の議論】「重度知的障害」の子が使いこなす「タブレット」…障害乗り越え“本来の力”引き出すIT技術の“威力”

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【日本の議論】
「重度知的障害」の子が使いこなす「タブレット」…障害乗り越え“本来の力”引き出すIT技術の“威力”

 障害のある子供の教育的ニーズに応じて指導や支援を行う特別支援教育に、ICT(情報通信技術)を活用する動きが広がっている。読み書きが困難なLD(学習障害)のある子供が文字入力に活用する事例や、重い知的障害と診断された小学生がタブレット端末を使いこなす事例が報告されている。(寺田理恵)

思いを伝え、会話する手段に

 「重度の知的障害」を伴う自閉症と診断され、タブレット端末のiPad(アイパッド)を活用するのは沖縄県立西崎特別支援学校小学部3年の勝連優(かつれんゆう)君(9)。マウス操作でプログラムが書ける子供の学習用プログラミング言語「スクラッチ」にも挑戦する計画だ。

 2年生から担任した新城理奈教諭は「文字の拾い読みはできても発語や表記などにつなげるのが難しく、発達検査では重度と判定された。だが、家庭では4歳のころからパソコンで遊んでおり、記憶力が高く自分で操作して規則性を見つけるのが得意」と話す。

 勝連君はかつて外の世界とつながる手段がなく、思いを伝えるのが困難だった。転機は平成25年4月、2年のときだ。

 新城教諭と勝連君がICTで障害のある子供の教育を支援する「魔法のプロジェクト」の研究協力校に公募で採用された。東大先端科学技術研究センターとソフトバンクモバイル、教育事業のエデュアスが実施する事例研究で、26年度は特別支援学校や小中学校など76校で児童・生徒と教員の2人1組計79組が選ばれた。

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