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【聞きたい。】南田佐智恵さん 『明日はわが身 若年性認知症の夫と生きる』 介護制度を知っていれば…

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【聞きたい。】
南田佐智恵さん 『明日はわが身 若年性認知症の夫と生きる』 介護制度を知っていれば…

南田佐智恵さん(渋沢和彦撮影)

 「古井戸に突き落とされた感じ。もうはい上がれないと思った」

 南田佐智恵さんは作家、渡辺淳一さんの秘書として多忙な生活を送っていたさなかの平成20年11月、働き盛りだった56歳の夫が若年性認知症と診断された。

 ズボンのファスナーさえあげられなくなり、箸を持つのも一苦労。日を追って症状は悪化する。元気なときとは別人のように変わってしまった夫の介護をつづったのが本書だ。実話だけに引き込まれてしまう。

 「泣きながら書いていました。病気が深刻化していく夫の姿ばかりでつらかったですね」

 ひとりで責任を背負ってしまい、精神的に追い込まれ自殺を考えたこともあった。「早朝、近所を走り回っていたり、勤め帰りに降りる必要もない地下鉄のホームを歩いていたりしました。まったくの無意識でした。死に場所を探していたのでしょう」。過度のストレスで髪の毛が大量に抜け、不運にも介護詐欺にひっかかり、数百万円ものお金をだましとられてしまった。

 行政から介護の支援を受けられることも知らず、3年近くも孤軍奮闘。「普通の人は介護制度は知らないでしょう。私の場合はそれに詳しい知人が教えてくれ、手続きを手伝ってくれたので助かりました」

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