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【子供たちに伝えたい日本人の近現代史】(94)皇太子ご成婚にわく列島 「異例」のお妃選び、国民は親近感

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【子供たちに伝えたい日本人の近現代史】
(94)皇太子ご成婚にわく列島 「異例」のお妃選び、国民は親近感

53万人がお祝いする中を進む皇太子ご夫妻(現天皇、皇后両陛下)の馬車列。沿道では教会の鐘が鳴り渡り、「君が代」などの歌声が響いた=昭和34年4月10日、東京都内

 それだけに国民の多くは、発表後初めて正田美智子さんの名前や婚約までのいきさつを知らされたのだが、それは二重の意味で極めて衝撃的だった。

 ひとつは美智子さんが旧皇族でも旧華族でもない「一般市民」であることだった。今でこそ何の不思議もないが、当時皇族に嫁ぐのは旧皇族や旧華族出身者だと信じられていた。皇太子妃選びが始まった当初、担当する記者たちもそうした旧皇族・華族の名簿からふさわしそうな「令嬢」を見つけ出すのに必死だったという。

 だが小泉や宇佐美らは早い段階から「30年先を考えたら一般市民の出身であることは大して問題にならない」との考えで一致、昭和天皇のご了解も得ていたという。皇族や保守派から異議が出ないよう、皇室会議では宇佐美がわざわざ「民間から選ばれたことは前例があり必ずしも異例ではない」と釈明までしている。

 もうひとつは婚約が皇太子さまの強いご意志で整った、いわゆる「恋愛結婚」であることを知らされたことだ。当時の報道によればお二人は前年の夏、軽井沢のテニス場で、たまたま対戦して知り合われた。

 その後もテニスなどを通じて交際、一度断られた皇太子さまが電話攻勢で、美智子さんの心を射止められたという。そのことが伝えられると、戦後の自由な空気を満喫しつつあった国民、特に若い層は快哉を叫んだ。

 加えてご婚約発表後の記者会見での美智子さんの聡明な受け答えもあり、日本中にいわゆる「ミッチーブーム」が起きる。東京・銀座にはお二人の大きな写真が飾られ、ミッチー音頭やミッチーつむぎまで現れるほどだった。

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