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博物館「建築倉庫」構想を発表 建築模型を「見せながら保管」

建築家がデザインを検討するときなどに製作する建築模型を収集して展示する博物館「建築倉庫」(東京都品川区)が発足することになり、発表会見と記念シンポジウムが1月30日に同区の寺田倉庫本社で行われた。
運営にあたる一般財団法人「建築文化保存機構」の代表理事には建築家の山本理顕氏が就き、理事には建築家の北山恒氏、坂茂氏、古市徹雄氏、建築史家の三宅理一氏が就任。今夏に博物館をオープンすることを目指して活動を始めた。
3次元で空間を表現する建築模型は、木や紙などさまざまな素材・サイズで作られ、多くの建築家が「創造を助けてくれるツール」として活用している。海外ではコレクションの対象としている美術館もあるそうだが、日本ではそもそも収蔵品になるというイメージが薄く、ほとんどの場合は廃棄されてきた。
創設される建築倉庫は、さまざまな建築模型を「見せながら保管する施設」になるという。参加する建築家は、棚を借りて自身の模型を保管するが、そのスペースがそのまま博物館として一般公開される。同時に、併設のギャラリースペースで建築に関する企画展やトークショー、ワークショップなどを開き、建築や建築家についての理解を深めていくことを目指す。
「建築家が、地域社会や住む人のこと、文化や歴史をどう考えているのか、そういうことがわかるような場所にしたい」と代表理事の山本さん。
「記憶の継承」と題された理事によるシンポジウムでは「世界中から建築模型を集めて、多くの人が来てくれる仕掛けを」「コンペで落選した模型を集めた『栄光の2等賞展』がやりたい」などと、さまざまなアイデアも飛び出した。(篠原知存)