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【話題の本】『新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方』 池上彰、佐藤優著

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【話題の本】
『新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方』 池上彰、佐藤優著

 ■国際情勢を読み解くヒント満載

 取材経験豊富なジャーナリストと、外交のリアリズムに通じた元外務省主任分析官。互いの仕事に敬意を抱く情報のプロ同士が、「イスラム国」の正体から中国や北朝鮮の思惑、欧米の抱える闇まで縦横に語り合う。平明な語り口ながら、今世紀の国際情勢を読み解くヒントに満ちている。

 昨年11月に初版5万部で刊行され、現在7刷31万部。「時事問題を扱ってはいるが、民族や宗教といった背景要因を詳しく語り、この先どうなるかも探る。そんな“賞味期限”の長さも強み」と、担当編集者の西泰志さんは話す。

 2人が注目するのは、ウクライナ情勢をはじめ古い民族問題が至る所で噴出していること。〈それぞれの国にとっての「過去の栄光を再び求める動き」が剥(む)き出しに出てきている〉と池上氏が言えば、佐藤氏も〈戦争と極端な民族対立の時代が、当面続いていくのかも〉。東西冷戦が終わり、前面に出てきたのはイデオロギー対立なき典型的な領土争い、つまり旧来型の帝国主義の対立だという。

 新聞やインターネットを駆使した情報の入手法や整理術も紹介。インテリジェンス能力を磨く極意は、ビジネスシーンにも応用できそうだ。(文春新書・830円+税)海老沢類

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