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【直木賞選評】作家・林真理子さん「読後に青空が広がる小説」

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【直木賞選評】
作家・林真理子さん「読後に青空が広がる小説」

直木賞を受賞した西加奈子さん=15日午後、東京・内幸町の帝国ホテル(宮崎裕士撮影)

 第152回直木賞は西加奈子さん(37)の『サラバ!』(上下巻、小学館)に決まった。選考委員の作家、林真理子さん(60)が会見し、選考経過と評価について説明した。

     ◇ 

 今回は非常に接戦でございましたけれども、西さんのあふれるような才能と若さによって書かれたこの上下巻を高く評価いたしました。多くの選考委員から、人を救うものは何か。宗教でもなく、お金でもなく、成功でもなく、それをつかみ取るまでの、人との出会いである。自分がつかみ出した何か大きなものである。自分たちは歩いていかなくてはならない。暗い世の中だからこそ、こうした前向きな、明るい、スケールの大きな作品を選び出した、ということは、選考委員として喜ばしいことだと思っております。

 西さんは、ご存じのように帰国子女でいらっしゃいますが、ある選考委員からは「日本語のボキャブラリーがそんなには多くない。でもそのなかで言葉を快刀乱麻のように振り回しながら、作っていくという手腕は天才的なものである」という指摘もありました。また、(西さんの作品には)欠点も多く、長編小説として整合性が合わないところもありましたが、1人の人間に寄り添うにはやはりこれだけの長さが必要だったのではないかと思います。

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