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【話の肖像画】白内障手術の権威・赤星隆幸(4)術式が広がらない理由

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【話の肖像画】
白内障手術の権威・赤星隆幸(4)術式が広がらない理由

最善の治療のため、顕微鏡にもこだわる (蔵賢斗撮影)

 私が考案した「フェイコ・プレチョップ法」について、もう少し詳しくお話ししましょう。

 〈30年ほど前までは、白内障の手術は眼球を大きく切り、水晶体を凍らせて丸ごと摘出する方法が主流だった〉

 これでは傷口が大きく、炎症が起きるし、縫うときに眼球がひずんで乱視になってしまいます。少しでも負担が少ない手術をということで編み出されたのが、3ミリほどの傷口から超音波チップという器具を入れて水晶体を砕いて吸い取り、水晶体を包んでいる膜の中に眼内レンズを入れる方式。これが現在の主流です。

 超音波で水晶体を砕く方法はいくつかありますが、広く行われているのは、ハワード・ギンベル先生が考案した水晶体に十文字の溝を掘ってから砕く「ディバイド・アンド・コンカー」です。これに対し、フェイコ・プレチョップ法は、独自に開発したプレチョッパーという器具であらかじめ水晶体を分割しておく。これには大学で解剖学を熱心に学び、水晶体の構造を研究した経験が生きました。分割しておくことで、手術時間は驚くほど短縮されました。

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