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「夫の実家の墓に入りたくない」 妻の胸の内に複雑な思い

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「夫の実家の墓に入りたくない」 妻の胸の内に複雑な思い

親族が集まった年末に家墓の掃除をする人々(本文とは関係ありません)

 隣の県にある夫の実家では、親族総出で先祖代々の墓に参る慣習がある。驚いたのは、墓石に水を掛けて掃除することだ。自分の実家では、「ご先祖様の頭から水を掛けるようなもの」と戒められ、乾いた布で磨き上げている。

 「自分は夫の家の人間になったと思い知らされる」

 ◆継承者がいない

 昭和22年に民法が改正され、「家」制度が廃止されたものの、墓は「○○家の墓」が一般的だ。核家族化が進み、長男といえども親世代と同居しない家庭が増えたが、長男が墓を継承する慣習は根強く残る。

 上田さんも山本さんも「長男の嫁」ながら義父母と同居していないうえ、共働きで顔を合わせる機会も少ないためか義父母と軋轢(あつれき)はない。墓を大切にする気持ちはあるだけに、家墓を前にすると日頃は希薄な「家」意識と向き合わざるを得なくなるようだ。

 墓をめぐっては、継承者がいない家墓の課題が顕在化した。少子高齢化が進み、継承者は今や貴重な存在となった。

 東京都の会社員、山田優子さん(52)=同=が夫の実家の墓に入りたくないのは、継承問題があるからだ。義父母も実父母も、男の孫は山田さんの長男と次男だけ。2人とも家墓継承者として期待され、山田さんが夫の方に入れば、自分の実家の墓を継承する息子だけが家族と離れる。

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