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「命ってなんだろう」「遺体に触れた経験ありますか」 医師が子供たちに続ける「いのちの授業」
中西敏雄教授による「いのちの授業」に聞き入る5年生の児童=17日、東京都新宿区立の余丁町小学校(蔵賢斗撮影)
臓器移植法が施行され、国内で脳死下の臓器移植が可能になってから17年。今月に入り300例目の脳死移植が行われたが、脳死移植が可能な他の国々に比べ臓器提供数は少なく、社会の理解も進んでいないのが現状だ。そうした中、小学生に脳死や臓器移植の現状を伝え、「命」や「死」について考えようという「いのちの授業」を続ける医師がいる。授業には自分の、そして人の命を大切にしてほしいという思いが込められている。(豊吉広英)
■遺体触れた経験
「今日は、命ってなんだろうということを、みんなで考えたいと思います」
今月中旬。東京都新宿区立の余(よ)丁(ちょう)町(まち)小学校(小林政雄校長、児童数385人)の視聴覚室に集まった5年生68人を前に、一人の男性がこう語りかけた。
男性は日本小児循環器学会前理事長で、東京女子医大病院循環器小児科の中西敏雄教授(64)。普段は重い心臓病に苦しむ子供の治療を日々続けているが、5年前から年1回、同病院に院内学級もある同校の教壇に立ち、脳死と心臓移植をテーマにした「いのちの授業」を行っている。
