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【編集者のおすすめ】『書き出し小説』天久聖一編 最も短く新しい文学スタイル

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【編集者のおすすめ】
『書き出し小説』天久聖一編 最も短く新しい文学スタイル

「書き出し小説」

 書き出し小説とは、編者の天久聖一さんが提案する「オリジナルの書き出しだけで成立した、最も短く新しい文学スタイル」のこと。この定義に基づき、全国から投稿された作品を厳選したのが、今回の書籍です。

 その魅力は、「ほぼ日」を主宰する糸井重里さんをもってして、「思い出し笑いの質量がハンパじゃない」と言わしめるほど。実際に『書き出し小説』から作品の一部をご紹介します。

 〈からっぽの電車きた!と思ったら、下の方に園児がびっしり詰まっていた〉

 〈モンスターペアレントは森の人気者だ〉

 〈義父とははじめから趣味が合った〉

 〈初めての結婚記念日を旧姓で迎えた〉

 〈「ねんど」だ! 高校以来だから十年ぶりか。ものすごくいい女になってる。ああ、本名が思い出せない〉

 鮮やかに情景が浮かぶもの、思わず続きを想像してしまうもの、ニヤリとしてしまうものなど、さまざまな楽しみ方が可能です。

 小社社内でも、「電車の中で読んだら噴き出しそうになって危なかった」「仕事をほうり出して一気に読んでしまった」「けんかしていた嫁に渡したら家庭の雰囲気が良くなった」など、絶賛の嵐です。それぞれにお気に入りの作品が違うのもまた面白いところです。

 本書に収録されたのは421本ですが楽しさは無限大。『書き出し小説』ワールドをお楽しみください。(新潮社・1100円+税)

 新潮社出版企画部 川端優子

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