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【月刊正論】在特会と大江健三郎 ~ヘイトスピーチを保守は認めない

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【月刊正論】
在特会と大江健三郎 ~ヘイトスピーチを保守は認めない

 民族、宗教、性的指向(LGBT等)、いずれの場合においてもそうした集団に属する人々には共通の悪徳、劣等性が存在するものとされ、その集団に属する一員であるというだけで、「普通の人々」の持たない「異常性」を有した危険な存在であるとみなされる。例えば、「在日(朝鮮人)は嘘つきだ!」「あの宗教の信者は頭がおかしい!」という偏見が流布した場合、「在日である」こと自体、「ある宗教の信者である」こと自体が「嘘つき」や「頭がおかしい」ことの根拠とされてしまうのだ。こうしてメルクマール(指標)はスティグマと化す。本来であれば「あいつは在日だ」という言葉は、単純な事実を指す意味しかもたないはずだ。しかし多くの場合、その人物が「在日」という負の属性を背負った集団に属しているという非難めいた意味合い、あるいは暴露めいた意味合いを帯びている。少数者を指すメルクマールそれ自体がスティグマと化したとき、スティグマを押し付けられた集団には抗う手段が殆ど残されていない。

スティグマは捨て去れぬが…

 地上からこうしたスティグマを全て捨て去ることが可能であり、捨て去るべきだ。そう考えるのは、現実を忘れた余りに楽天的なリベラルだけだ。人間の生きるこの地球からスティグマが消えることは有り得ない。善かれ悪しかれ、人間は集団を区別し、自らの帰属する集団に途方もない愛着を示すと同時に、帰属せざる集団を嫌悪する生き物なのだ。そうした人間の性に思いを致せば、スティグマの消滅が、戦争の消滅と同程度に非現実的であることに気付くであろう。

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