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【話の肖像画】エボラ専門医・加藤康幸(45)(5)治療が致死率を下げる

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【話の肖像画】
エボラ専門医・加藤康幸(45)(5)治療が致死率を下げる

 米国とスペインでは治療中の医療従事者が、エボラ出血熱に感染してしまった。エボラウイルスから身を守るには、防護服や手袋を多重にするなど重装備が求められる。しかし米国でさえ一般の病院では重装備はやらない。装備の脱着訓練も行っていないと思うから実施しておかなければならない。やはり先進国でも一般の病院で治療すると、医師や看護師の感染確率が高くなる。エボラ出血熱の治療は訓練を受けている専門病院で行う必要がある。イギリスやドイツでは西アフリカで感染した医療従事者を特別な施設で治療している。

 高度な医療行為が逆に感染症の感染リスクを高めるようなこともある。西アフリカのような発展途上国とは違い、先進国では血液透析、人工呼吸、未承認薬の投与、血清療法、輸液(点滴)、酸素吸入などありとあらゆる治療ができるし、実際にそれらを行っている。しかし血液透析では医療従事者が患者の血液を浴びる危険性がある。エボラ出血熱では問題ないとはいえ、2003年に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)では、人工呼吸器の気管内挿管の際に患者がせき込んで出す飛沫(ひまつ)からの感染が問題になった。高度な医療にともなう感染リスクを検証する必要がある。

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