産経ニュース

【話の肖像画】エボラ専門医・加藤康幸(45)(4)発生地での封印目指せ

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【話の肖像画】
エボラ専門医・加藤康幸(45)(4)発生地での封印目指せ

 こうしたリベリアの社会的状況がエボラ出血熱の感染を拡大させた。日本のように国内に入ってくるのを防ぐ水際作戦を空港や港で展開してもいいけど、世界に広めないためには発生地で抑えて封印するのが一番です。それが自国の対策にもつながる。米国はそういう発想だ。たとえば現地に医療従事者がいなければ、先進国が医師や看護師を派遣する必要がある。

 これまでエボラ出血熱は抑えられてきました。1976年に初めてザイール(現・コンゴ)とスーダンに感染者が現れて以来、アウトブレイク(流行)を数回起こしたが、多くても400人ぐらいの感染者で収まってきた。

 それが今回は感染者が1万人を軽く超えてしまった。なぜなのか。それはリベリアの首都モンロビアという人口100万人の都市で感染が起きたからです。最初に人口の過密したスラム街から感染が始まったのだろう。そこでは子供と大人が狭い家で生活している。トイレもない。エボラウイルスは患者の吐瀉(としゃ)物や便に多く含まれている。1人が嘔吐(おうと)すると、家族がたちまちウイルスに感染してしまう。

 道路と車という交通網の発達も大きい。日本だと廃車になるような古い車がいっぱい走っている。車に乗って人々が遠くまで移動できるようになれば、人から人へと感染もあっという間に広がる。40年前のザイールの村とは状況が全く違う。(聞き手 木村良一)

「ライフ」のランキング