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【話の肖像画】エボラ専門医・加藤康幸(3)医師や看護師が消えた

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【話の肖像画】
エボラ専門医・加藤康幸(3)医師や看護師が消えた

エボラ専門医・加藤康幸(栗橋隆悦撮影)

 8月に西アフリカのリベリアの首都モンロビアに入ったとき、政府の担当者からこんな説明を受けました。エボラ出血熱の患者が町中にあふれ、隔離病棟(ユニット)が不足している。病院からは医療従事者がいなくなってエボラ治療以外の一般の医療行為もできない。モンロビアには大きな病院が5つある。そのすべての病院から医師や看護師が次々と姿を消し、病院が閉鎖された。病院を見てきましたが、患者もいなくなり、ガラーンとした病院内を作業員が消毒を続けていた。

 どうしてこんな状況になったのか。一部の医療従事者が逃げ出したというのではない。病院の管理職を除いてすべての医療従事者がストライキに近い状況でいなくなった。どこの病院でも救急外来などでエボラ出血熱の感染が起きていた。医師も看護師も感染し、死者も出た。もともと医療従事者から「給料が安い」と不満の声が上がっていた。そこにエボラが降ってきたからこんな事態になったのでしょう。

 サーリーフ大統領が医療従事者の代表者と会って「病院に戻ってください」と呼びかけた。その結果、病院を次亜塩素酸水で消毒することが戻る条件のひとつになった。外国からもらった防護服を配り、その防護服の着方や脱ぎ方など感染予防の指導を行うことも条件になった。

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