産経ニュース

【きょうの人】プロ棋士目指して27年、編入試験合格の今泉健司さん(41)

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【きょうの人】
プロ棋士目指して27年、編入試験合格の今泉健司さん(41)

石井健太郎四段(右)に勝ち、将棋のプロ編入試験に合格した今泉健司さん=8日午後、東京都渋谷区の将棋会館

 ■「将棋が人生のすべて それが職業になる」

 「(合格は)夢みたい、うれしいです。自分の可能性にふたをしなければ年齢に関係なく何でもできる。こんな生き方、日本に僕だけでしょう」

 将棋のプロ編入試験を3勝1敗でクリア、41歳で夢をかなえた。14歳でプロを目指してから27年。「将棋が人生のすべて」。そう信じて生きてきた男が難関を突破し、ようやく「日本将棋連盟プロ棋士」の肩書を手に入れた。

 小学2年のとき将棋と出会い、中学2年でプロ棋士を養成する関西奨励会に入った。しかし、26歳までに「卒業」という年齢制限があるため退会。その後、三段リーグ編入試験で戦ったものの壁は厚く、プロへの道は断たれた。

 「このとき、もうプロになることはないとはっきり思い知りました」

 しかし、将棋が嫌いになることはなく、むしろ「今より弱くなるのはいや」と、時間を見つけては詰め将棋に取り組み、インターネットによる他流試合の対局に没頭し、アマタイトルを取りまくった。ふだんは広島県福山市内で介護の会社に勤務、お年寄りの身の回りの世話をしている。「あすは大会で休む」という日は、おじいちゃん、おばあちゃんから「がんばってね」とエールをもらう。編入試験の様子はインターネットのライブ中継でみんなが応援したという。「これが力になります」

 来年4月から、念願だったプロ棋士として新たなスタートを切る。「今の自分は将棋が作ってくれた。それが職業になる、こんな幸せはない。ファンの方が面白いと言ってくれるような将棋を目指したい」(藤田昌俊)

「ライフ」のランキング