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【解答乱麻】縦割りなくし、子供を守る ジャーナリスト・細川珠生 

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【解答乱麻】
縦割りなくし、子供を守る ジャーナリスト・細川珠生 

 連日のように報道される児童虐待のニュースに接するたびに、「なぜ、どうして、わが子を?」と思わずにいられない。虐待による子供の死は、心中も含め、年間約100人。そのうち0歳児が4割を占める。児童相談所(児相)への相談(通報)は、平成25年度で7万3765件であり、統計を取り始めた2年度の67倍にもなっている。市町村の窓口への相談も含めると総数は10万件にも上り、児童虐待が深刻さを増していることは明らかである。

 増加の背景には、核家族化、地域社会の崩壊、シングルマザーやひとり親の増加、結婚や妊娠に関わる意識の多様化などさまざまな要因がある。中でも多い虐待のケースはシングルマザーや離婚後の母子家庭の精神的不安定からくる母親による虐待、同居や交際中の相手による虐待、望まない妊娠による出産直後の虐待などがある。

 これらの例を挙げるだけでも胸がつまる思いになるが、年間約100人という虐待死も、取るべき対応が取れていれば、救えた命もあったということに、無念さが募るのである。

 現在、虐待が疑われる家庭を訪問し、子供を強制的に保護できるのは児童相談所だけである。警察にも相談(通報)は来るが、それを児相に伝え、児相が対応を取ることになる。その後も児相まかせで警察が家庭訪問などをすることはほとんどない。児相への相談は障害や非行に関するものなどもあり年間で38万件超にも及ぶ。しかし児相は全国に207カ所しかなく、職員数もわずか1万103人(25年4月現在)。到底、全虐待に対応するには及ばない。

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