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【書評】細川護煕が読む『スープ』細川亜衣著

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【書評】
細川護煕が読む『スープ』細川亜衣著

『スープ』細川亜衣著(リトルモア・2300円+税)

生活体験から育まれる「食」

 息子の嫁は料理研究家だが、そのイタリアンの美味(おい)しい手料理にあずかったことは残念ながらまだ数回しかない。軽井沢で、確か家族そろったとき、畑でとれた野菜で美味しいサラダと煮込み料理を作ってもらったのと、熊本で雑穀のスープをごちそうになったぐらいだが、その時感じたのは、サラダとはいえ、さすがにプロの味だなという印象だった。

 以前ある企業の入社試験で、「カレーライスを作る手順を書け」という問題があったのを覚えているが、なかなかユニークな設問で、まずごはんを炊くのか、ジャガイモの皮をむいてゆでるのか、肉を切るのか、それを迷ったり、間違えたりすると、すぐわかるように鉛筆でなくボールペンで答えを書かせるというものだった。賢くない人は何回も消すからすぐバレる。

 手順がいいかどうかは、すべての仕事、業務のいちばん基本となるところで、それがもたつく者は、だいたいどんな仕事を任せてもうまくいくはずがないのであって、そういう意味で、この問題は、私が知る入社試験の問題の中でも秀逸のものだと思う。

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