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実学偏重、業績主義の傾向強まる中、若手研究者が思想誌「nyx」創刊

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実学偏重、業績主義の傾向強まる中、若手研究者が思想誌「nyx」創刊

「nyx」の担当編集者、小林えみさんと、創刊号に参加する佐々木雄大さん、松本卓也さん(右から)

 人文・社会科学系の本を手がける堀之内出版(東京都八王子市)は、古典など非時事的テーマを中心にした新思想誌を来年1月に創刊する。大学が実学偏重、業績主義の傾向を強める中、若手研究者に実学にとらわれない「思想のための場」を与える試みだ。

 新雑誌名は、ギリシャ語で夜を意味する「nyx(ニュクス)」。定価1800円(税抜き)で、年1~2回程度の不定期刊。

 執筆者の中心は、1970~80年代生まれの若手人文系研究者。同誌担当編集者の小林えみさん(36)は「現在の出版界ではわかりやすさが求められがちで、難解な古典や理論を扱う研究者は世に出にくい。丸山真男氏、少し前なら浅田彰氏といった思想家たちも、20~30代で発表した難解な論稿がベストセラーとなった。読者も安易さだけを求めているとは限らない。今の日本の若手の優秀な研究を世間にもっと紹介したい」と、創刊の意図を説明する。

 創刊号の第1特集は「〈エコノミー〉概念の思想史」。古代ギリシャまでさかのぼり、「エコノミー」という概念が持つ経済に限らない本来の広がりを再確認する。注目を集める仏の経済学者、トマ・ピケティの論稿も訳出・収録される。

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