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【自作再訪】「タテ社会の人間関係」 ソトから見えた日本の構造とは 中根千枝さん

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【自作再訪】
「タテ社会の人間関係」 ソトから見えた日本の構造とは 中根千枝さん

「社会構造は時代が変わっても、そう簡単には変わらない」と語る中根千枝さん (栗橋隆悦撮影)

 日本では地域性による違い、発展段階説的な考え方の傾向があるのに対して、私の立場は日本をソトから見て、その比較に視点をおいて理論化したことがユニークだ、と評価されたのではないでしょうか。

 《女性で初の東京大学助教授、教授、国立大学初の女性研究所長(東大東洋文化研究所)、そして女性初の日本学士院会員と第一線で活躍。女性の社会進出の象徴のような存在としても知られる》

 女性が上の地位に就こうと思えば、タテのシステムに入らないと難しい。たとえば官僚でも、上(の地位)に就いている人は、少なくともその組織内での順番は守っているのよ。抜擢(ばってき)されるといっても、せいぜい(年次が)3年くらい(の違い)じゃないかしら。女性が多い看護師の職場でも(年功序列の)順番はあるでしょ。民間でも、タテになっていない女性が(大抜擢されて)上にきたら、男性は機嫌が悪くなり、働かなくなりますよ。

 外国では、性別にかかわらず能力があれば若くても抜擢され、他の人も認めるけど、タテが優先される日本では、無理ですね。国会議員でも当選回数が重要でしょ。個人それぞれの資格より、集団に参加した時期(新旧)が問題になる。インドの官僚に、どれくらい年次が離れていれば気にするかを聞くと、7年くらいだと。英国ではそもそも、先輩後輩という呼び方がない。日本では1年違えば大違いなのにね。こういう社会構造というのは、時代が変わっても、変わらないものです。

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