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【自作再訪】「タテ社会の人間関係」 ソトから見えた日本の構造とは 中根千枝さん

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【自作再訪】
「タテ社会の人間関係」 ソトから見えた日本の構造とは 中根千枝さん

「社会構造は時代が変わっても、そう簡単には変わらない」と語る中根千枝さん (栗橋隆悦撮影)

 一方のインドはカースト制で、英国は階級制。同じ階層でつながる機能をもつヨコの関係に対して、日本の社会は常にタテになっている、と。論文では分析する用語として「資格(属性)」と「場」を設定しました。どの社会にも資格と場はあり、インドや英国では資格が重要なのに対し、日本ではどんな職業かという「資格」より、○○会社の構成員という「場」が重視される。こうした内容を、ホテルにこもって2週間くらいで書き上げたものが「日本的社会構造の発見」(昭和39年5月号の中央公論掲載)です。

 日本をウチ側から分析する従来の手法とは違うから、読まれないと思っていました。そうしたら、京都大の猪木正道教授(1914~2012年)がほめてくださったこともあって評判になり、いくつかの出版社から本にしないか、と持ちかけられました。

 《論文を加筆・修正した『タテ社会の人間関係』は昭和42年に刊行。現在までに124刷116万部超のロングセラーとなり、英国で出版された英語版は、13カ国で翻訳出版されている》

 旧知のシカゴ大の教授には「女性だから書けた。日本の男性はタテのシステムにどっぷり漬かっているから書けない」と言われました。私は小学校高学年から6年ほど、父が弁護士をしていた北京で暮らしました。中国人だけでなく他国の人も周囲にいて、それが普通のことと思ったのが大きいわね。

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