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【書評】『パリの国連で夢を食う。』川内有緒著

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【書評】
『パリの国連で夢を食う。』川内有緒著

『パリの国連で夢を食う。』川内有緒著

 著者が国際協力の世界に入ったのは大学院生時代のコスタリカでの出来事がきっかけだった。「私はただ、目の前の小さな目標に一生懸命だっただけだ。あえて言うならば、私は世界を変えたかったのではない。いつも自分を変えたかったのだ」。そうした小さな積み重ねが冒頭のプロフィルにつながる。通読すると、すべてのギャップはギャップでなくなり、むしろ必然となった。国連の氷のごとき硬直したシステムも裏返せば、自由自在な有給休暇、仕事より家族優先の社会規範と矛盾しない。

 本の後半では、パリで出会った個性的な人々との交流を通した、作家への道を模索する姿が描かれる。25年勤めれば一生涯もらえるという年金を捨てての転身。人が本来持つべき「夢」の大切さを痛感する一冊。(イースト・プレス・1500円+税)

 評・コダマシンゴ(元旅行雑誌編集長、フリーライター)

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