産経ニュース

【東京五輪】外国人増加で重要性増す「医療通訳」 求められる“質と量”

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【東京五輪】
外国人増加で重要性増す「医療通訳」 求められる“質と量”

診療科名に英語も併記されている国立国際医療研究センターの看板=東京都新宿区(豊吉広英撮影)

文化橋渡し役

 昨年末の国内の在留外国人は約207万人。昨年の訪日外国人は初めて1000万人を超えた。医療通訳士協議会の会長を務める中村安秀・大阪大大学院教授(62)は「患者も国境を越えてくる今、世界トップレベルの日本の医療を、日本語のできない人々にも安心して受診してもらえるようにすべきだ」として、専門知識を持つ医療通訳者の必要性を強調する。

 特に問題になるのは日本人にも難しい医療用語だ。「優秀な通訳でも、心筋梗塞と狭心症の違いが分からず間違えることがある」と中村教授。日本では消化のいい食べ物の代表であるおかゆも、海外ではミルクなどが入って、必ずしも病人食として適さないケースがあるなど、医療文化の違いについての理解も重要になる。中村教授は「何も引かず、何も足さずという通訳ではなく、医療通訳者は医療者と患者の間で文化の橋渡しをする役割も期待されている」という。

 こうした中、国際的な医療通訳者団体「国際医療通訳者協会(IMIA)」は世界各国で実施している医療通訳の資格認定試験制度を日本でも創設し、来年度にも試験を実施することを決めた。9日に東京・府中の東京外国語大で開催するシンポジウムで発表する予定で、試験では解剖学や医学用語などの理解力を問うほか、実際の通訳の場面を想定した口頭試験も行う方針だ。IMIA日本支部の竹迫和美代表(59)は、「医療通訳がプロの職業として認知されるようにしていきたい」と意気込む。

「ライフ」のランキング