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【金田賢一のうまいことやろうぜ】(18)認知症介護 現場の奮闘支える社会に

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【金田賢一のうまいことやろうぜ】
(18)認知症介護 現場の奮闘支える社会に

 友人が認知症研究会を運営している。そこでは年に1度、事例発表会があり、僕は選考委員を任されている。ホームヘルパー2級の資格で介護経験はあるが専門ではないので、発表の仕方など表現を主に審査する。参加して今年で8回目だが、毎年、事例報告を聞くと、現場のご苦労がうかがえる。

 一口に認知症と言っても、アルツハイマー型にはじまり、原因も症状の出方もさまざまだ。大体の分類はできるが、100人いたら100通りで、その対応にはマニュアルも限りもない。

 現場の方々の目的はただ一つ、どうすれば穏やかに日常生活を送ってもらえるかだ。そこに至るまで、いわゆる問題行動の原因を探り、いかに要因を取り除くか。その対応に苦労しているのだろうと、発表からは聞き取れる。

 ただ、関わっている人は苦労を苦労と思っていない。諦めずに方針を変えながら、アプローチを繰り返していく。そして、ようやく効果が見られて、良かった良かったと思っても、何かの拍子に症状が悪くなる。まさに一進一退、ジェットコースターのような日常だ。

 在宅での取り組みも発表があった。在宅では家族、看護・介護職員、地域の連携が大切だ。ことに、近隣の理解と協力は欠かせない。暮らしている場、なのだから。介護や認知症について、新聞やテレビなどで紹介されているから知ってはいるが、自分に関わりがなければ深く知ろうとしないだろう。けれど、壁を乗り越え理解を得て、協力してもらえれば、より良い在宅介護ができるようになる。

 以前、警察署に講演に行ったとき、ぜひ、警察でも認知症の知識を学んでほしいとお願いした。知っていれば違った対応ができるかもしれないから、と。これから独居の高齢者が増えていく。街ぐるみの取り組みが、さらに必要になっていくと思う。

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