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【書評】『アイネクライネナハトムジーク』伊坂幸太郎著

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【書評】
『アイネクライネナハトムジーク』伊坂幸太郎著

「アイネクライネナハトムジーク」

 日本人ボクサーが初めてヘビー級タイトルマッチに挑む夜、僕は街頭アンケートをしていた。〈誰も彼もが自分を避けていくように見える。群れるペンギンのようにたくさんいるにもかかわらず誰も彼もが素通りだ〉。やっと引き受けてくれた女性の手首にはマジックで「シャンプー」という字が!?

 のっけから読者を引き込んで離さない。タイトルにならって音楽っぽく言うなら(そんな必要ないけど)軽やかな文体でグルーヴ感(ノリ)を盛り上げる名演奏。夢中になるうち、登場人物それぞれのエピソードが静かに深く響き合い…。閉じるのが惜しくなる本。(幻冬舎・1400円+税)

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