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【昭和天皇実録を読む】幼・少年期 心に刻まれた乃木大将の教え

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【昭和天皇実録を読む】
幼・少年期 心に刻まれた乃木大将の教え

 昭和15年6月22日、第二次大戦でフランスを破ったナチス・ドイツは、第一次大戦でドイツがフランスに降伏した地、コンビエーニュの森にフランス代表を呼び、降伏文書に調印させた。それを知った昭和天皇は、こう言って嘆息した。

 《何ウシテアンナ仇討メイタコトヲスルカ、勝ツトアヽ云フ気持ニナルノカ、ソレトモ国民カアヽセネハ承知セヌノカ、アヽ云フヤリ方ノ為メニ結局戦争ハ絶エヌノデハナイカ》

 この時、昭和天皇は日露戦争の旅順攻防戦で勝利した第3軍司令官の乃木が、降伏調印式で敵将ステッセルの名誉を重んじた「水師営の会見」のことを思い起こしたのではないか。

 8年後の23年12月23日。連合国は天皇陛下(当時は皇太子)の誕生日であるこの日に、東条英機らいわゆるA級戦犯7人を処刑した。その日の実録に、昭和天皇の内面をうかがわせる記述はない。

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 全60巻、1万2千ページに及ぶ昭和天皇実録を読み解くと、昭和天皇の実像が見えてくる。実録に記された各時代の言動を、専門家の分析とともに随時紹介する。

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