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【昭和天皇実録公表】ソ連参戦 「五分」と上奏、重臣ら甘い分析 ソ連頼りの終戦構想へ

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【昭和天皇実録公表】
ソ連参戦 「五分」と上奏、重臣ら甘い分析 ソ連頼りの終戦構想へ

 昭和20年2月、昭和天皇が首相などを経験した重臣7人に戦局の意見を求めた際、重臣らはソ連について「米英に直ちに加担して対敵行動は取らない」「外交的成功を得たり」「対日参戦は五分」などと誤った情勢分析を上奏(じょうそう)していた。同月のヤルタ会談でソ連はドイツ降伏3カ月後の対日参戦を密約しており、重臣らの甘い対ソ認識に影響された昭和天皇は、ソ連を最後のよりどころにソ連の仲介で戦争終結を構想するようになったとみられる。

 (編集委員 岡部伸)

 同9日に拝謁した広田弘毅元首相は「ロシヤニ付キテハ特ニ注意スルコト得策ナルベシ」と中立条約を結んでいたソ連との関係維持の重要性を説き、「ソハ直ニ米英ニ加担シテ我(日本)ニ対敵行動ヲトルナラント云ウニハアラズ」と甘い認識を示した。

 また「条約上ノ制限ヲ拓開キタキ考モアルベク」とポーツマス条約などを破棄すれば、ソ連が仲介和平に応じる可能性を報告。「蘇聯ニ対シイクラニテモヨキ立場ヲ造ルコト最大切ナリ」と、いかなる手段をとっても対ソ関係保持を最優先とするよう進言した。また「新シキ大使ヲ送ルコトモ可ナリト思考ス」と佐藤尚武(なおたけ)駐ソ大使更迭を提案した上で、「蘇ト更ニ戦争ヲ起スコトハ不可ナリ。腹背ニ敵ヲ造ルコト今日ノ独逸ノ如クナリテハ心配ニ堪ヘズ」と対日参戦を阻止すべきだとした。

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