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横山悠太さんデビュー作「吾輩ハ猫ニナル」 日中のはざまに身を置いて

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横山悠太さんデビュー作「吾輩ハ猫ニナル」 日中のはざまに身を置いて

 第57回群像新人文学賞受賞作で第151回芥川賞候補にも選ばれた横山悠太さん(32)のデビュー作『吾輩ハ猫ニナル』(講談社)が刊行された。批評性とユーモアが絶賛された処女作を本人は「『面白いおもちゃを作りたい』という好奇心から。書き進めるうちに面白くなってきた」と振り返る。

 岡山県出身。鹿児島大学を1年半で中退し、アルバイトを転々とした。平成17年、日本語教師の資格を取得して中国へ渡り、現地で仕事が途切れると、うっぷんをぶつけるように創作に向かった。

 動漫迷(アニヲタ)、便利店(コンビニ)…。日本人の父と中国人の母を持つ上海の青年が東京・秋葉原を訪れる『吾輩ハ猫ニナル』は、ルビを配した中国語を多用する独特の文体を駆使して、日本語に新たな光を当てる。渡航直後、メニューの文字から類推したのとは全く違う料理が運ばれてきた驚き。日本語学校の教え子だった中国人高校生に請われて一緒に訪れた秋葉原のメイドカフェ。日中のはざまに身を置いて感じた言語や文化の面白みや違和を、愛読する夏目漱石らへのオマージュとともに差し出した。「日本語は、漢字もひらがなもカタカナもごちゃ混ぜ。長く中国にいて、たまに日本に帰ると街中の看板が新鮮に写る。言葉を論理的に突き詰めるのが楽しいんです」

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