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【中高生のための国民の憲法講座】第56講 9条解釈の限界と改正の必要性 高乗正臣先生

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【中高生のための国民の憲法講座】
第56講 9条解釈の限界と改正の必要性 高乗正臣先生

 憲法の解釈は、文学作品の解釈とは異なり、条文に示された文言の上から一定の限界があります。したがって、解釈の見直し、変更には限度があり、それを超えると思われる場合には憲法改正の手続きをとるのが法治国家としてのあるべき姿です。今回、閣議決定された集団的自衛権の行使を認める憲法9条の解釈変更について考えてみましょう。

◆特異性 

 憲法9条の原型は、敗戦後、日本が二度と再び世界平和の脅威にならないようにと考えた連合国軍のマッカーサー元帥が示したノートにありました。そこには、国際紛争解決の手段としての戦争とともに自国の安全を保持する戦争まで廃棄するとされていました。それがあまりにも現実的でないということで、連合国軍総司令部(GHQ)民政局の中で手を入れられ、帝国議会の芦田小委員会でも修正が加えられました。けれども、現行の憲法9条2項は、世界でも類例を見ない特異な規定すなわち戦力の不保持、交戦権の否認をおいています。

 戦後の日本を取り巻く国際情勢は厳しいものでした。朝鮮戦争の勃発から米ソの対立、ベトナム戦争の泥沼化がそれでした。そのような激動する国際政治の中にあって、政府は自国の平和と安全を維持し、国民の生命、自由、財産を守るため、必要最小限度の実力を持ち、その範囲内で自衛の措置をとることは9条の範囲内で認められると解釈してきました。

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