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描くこと問い直す 「絵画の在りか」展

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描くこと問い直す 「絵画の在りか」展

 ビデオやプロジェクターを使った映像作品や空間全体を使って見せるインスタレーションが流行し、現代アートの世界では絵画の存在が薄れがちだが、あえて絵画に注目した展覧会が東京・西新宿の東京オペラシティアートギャラリーで開かれている。

 本展の企画を担当した堀元彰チーフキュレーターが選んだのは「真摯(しんし)に絵画と向き合いながら、独自の表現を模索する」という24人の若手アーティスト。30代が中心で、近作や新作約100点で構成されている。

 掃除用モップや自動車のタイヤを擬人化してユーモラスに描出し、幻想世界を展開する福永大介。写真をもとに抽象化した人物画を創作する小西紀行。実在するものを描くのではなく、記憶などを頼りに想像上の風景を紡ぎ出す持塚三樹。

 かれらのように著名ギャラリーで実績を積んだ作家もいれば、あまり知られない作家も多く含まれている。その中にも個性が光る作家が何人かいる。

 高橋大輔は板に油絵の具をべったりと厚く塗りたくった。「モチーフがなく、ひたすら筆を加えていった結果」というが、確かに何も具体的な形は見えてこないものの、力強い筆致で絵の具の発色の美しさを見せつける。横野明日香は、ダムをモチーフに抽象的な作品を制作。細かい描写はなく、ざっくりと大胆に塗られ、人工物を圧倒的な存在感とともに描き出す。両者とも将来性を感じさせる。

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