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【中高生のための国民の憲法講座】第55講  自衛権と自衛隊をめぐる学説 高乗正臣先生

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【中高生のための国民の憲法講座】
第55講  自衛権と自衛隊をめぐる学説 高乗正臣先生

 安倍晋三内閣は、閣議決定によって従来の政府解釈を変更して集団的自衛権を限定的に行使できるとしました。集団的自衛権の行使を可能とすることは、信頼できる他国との関係を強くし、抑止力を高めることによって、紛争の可能性を減らすことにつながります。

◆憲法9条の解釈

 これまで、政府が集団的自衛権の行使はできないとしてきた理由は、憲法9条の解釈にありました。実は、自衛隊を憲法上どのように位置づけるかの点についてはあまり明確でなく、現在でも学説は分かれています。

 憲法9条2項は「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と定めています。以前から、近代的軍事力をもつ自衛隊は9条2項が保持を禁ずる「陸海空軍その他の戦力」にあたるのではないかが問題となってきました。

 一般に、戦力とは、外敵の攻撃に対して実力で抵抗し国土・国民を防衛することを目的・任務として設けられる組織を意味します。

 憲法9条と自衛権、自衛隊をめぐる学説を大別すると次のようになります。

 まず、(1)説は、自衛隊は明らかに「陸海空軍その他の戦力」にあたり憲法違反であると主張します。また、わが国も自衛権をもつが、それは軍事力によらない、いわば「武力なき自衛権」であると主張します。

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