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WHOがOKでも食品衛生法違反 40年止まったままの放射線検疫、「安全」でなく「行政」の問題

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WHOがOKでも食品衛生法違反 40年止まったままの放射線検疫、「安全」でなく「行政」の問題

 安全性については、照射でできる副生成物質(2-アルキルシクロブタノン類)の発がん促進作用を問題視する声もある。これについて、WHOなどの合同研究グループは「たとえ含まれていてもごく微量で害はなく、加熱処理食品と同等に安全」との見解を出している。

 食品照射をテーマに学習会を行っている消費者団体「食のコミュニケーション円卓会議」の市川まりこ代表は「放射線による殺菌は食中毒対策の切り札の一つ。欧米各国では1980年代から照射の安全性を評価し、法令を整備してきた。一方、日本の行政は、昭和47年のジャガイモへの照射芽止めの認可後、約40年間、何もしてこなかった。今、レバ刺し禁止を受ける形で牛レバーへの照射が検討されているが、スパイスや果物、魚介類などについても早急に検討してほしい」と話している。

 ■臭化メチル禁止で利用拡大

 国際貿易に欠かせない植物検疫で、放射線照射の利用が広がっている。殺虫処理に使われていた臭化メチルが「オゾン層を破壊する」として、国際条約で使用禁止となっているためだ。日本も加盟する国際植物防疫条約では放射線による植物検疫処置の国際基準を次々に採択している。

 食品では、スパイスやハーブへの照射が多いが、フランスやベルギーではカエルの脚や魚介類、鶏肉にも照射されている。米国は香辛料の年間消費量の3分の1に当たる7万~8万トンの香辛料を照射殺菌している。

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