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WHOがOKでも食品衛生法違反 40年止まったままの放射線検疫、「安全」でなく「行政」の問題

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WHOがOKでも食品衛生法違反 40年止まったままの放射線検疫、「安全」でなく「行政」の問題

 同法は食品の安全性確保のため、昭和22年に制定。今回の件で、安全性に問題がある食品と不安に思った人もいるかもしれない。しかし、日本原子力研究開発機構・量子ビーム応用研究部門の小林泰彦さんは「今回の原料は米国では法律上も安全上も問題なく、出回っているもの。自主回収は、日本の食品衛生法が欧米など諸外国と大きく異なり、国際規格との整合性が取れていないからで、安全性の問題ではない」と指摘する。

食中毒対策の切り札

 照射は、海外では食品安全や植物検疫のための技術として確立している。WHO(世界保健機関)は1997年、「適正な線量を照射した食品は、いかなる線量でも安全に摂取できる」との見解を出し、照射する線量に上限を設ける必要がない、と勧告している。

 照射は冷蔵・冷凍のまま新鮮な状態で処理でき、色や香り、栄養素が高品質に保たれることから、海外ではスパイスやハーブの殺菌に使われることが多い。今回の照射も殺菌が目的とみられる。問題発覚は、大麦若葉を輸入販売しようとした人が同原料の微生物汚染の程度が極めて低いことに疑問を持ったことがきっかけという。微生物汚染が低いことは食品の安全という面ではむしろ好ましい。しかし、照射は日本の法律では違反なため、回収命令となった。

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