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【英国王室物語】今も残る第一次大戦の傷跡 英霊たちへの追悼

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【英国王室物語】
今も残る第一次大戦の傷跡 英霊たちへの追悼

 ところがこの戦争以上に英国民の心にいまだ大きな傷跡を残しているのは、第一次世界大戦(1914~18年)のほうなのである。史上最初の総力戦ともいうべきこの戦争で、670万人の英国民が動員され、そのうち70万人が命を落とした。戦死者の数だけ見ても第二次世界大戦の実に倍以上に達する。英連邦全体では91万人が亡くなった。

 第一次世界大戦が終結した翌年から、その終戦記念日にあたる11月11日を戦没者追悼記念日と定めるようになった。国会議事堂の建つウェストミンスターに隣接するホワイトホールは、日本でいう霞が関に相当し、財務省や外務省など政府官公庁の建物が林立する。その一角に「無名戦士の碑」が建立され、毎年11月11日になると、英国王をはじめ首相や政府高官たちが赤いケシの花(ポピー)の花輪をささげるようになった。

 最大の激戦地であった西部戦線(フランス・ベルギー・ドイツの国境地帯)では、この時期になるとポピーが咲き乱れる。まるで英霊たちの魂が宿る彼岸花のように。

 さらに多くの犠牲者を出した第二次世界大戦を経たのちでも、「戦没者追悼記念日(リメンブランス・デー)」は11月11日のままである。近年では、より多くの国民とともに英霊たちの追悼を行う意味からも、11月11日に一番近い日曜日を「戦没者追悼記念の日曜日(リメンブランス・サンデー)」と定め、エリザベス女王をはじめ、すべての王族と歴代首相など政府要人たちが、無名戦士の碑にポピーの花輪をささげている。さらに10月末からは、彼らのすべてが左襟にポピーの造花を着けている。

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