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【家庭医が教える病気のはなし(45)】ノロウイルスワクチンの効果は?

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【家庭医が教える病気のはなし(45)】
ノロウイルスワクチンの効果は?

 ただ、大部分の臨床試験は既に病気になっている人を対象に行われます。この研究のように健康な人を病気にしてまで研究するというのはかなりまれです。背景には、ノロウイルスによる胃腸炎が軽症で危険な病気でないという前提があります。治らない可能性があるような病気でこのような実験は許されません。さらに、ノロウイルス感染症になる危険について十分な説明を受けたうえで参加に同意した人たちだけが研究対象になっており、研究自体は第三者の審査によって認められ、倫理的に行われた人体実験です。

 さて、その結果ですが、プラセボを飲んだグループでは70%が胃腸炎になったのに対し、ワクチンを飲んだグループでは37%に抑えられたというものでした。ワクチンの効果としてはちょっと微妙な感じです。インフルエンザワクチンの効果に近いというところでしょうか。麻疹風疹ワクチンの効果にははるかに及びません。

 ノロウイルスには多くの型があり、実際に問題になるのは重症化しやすい乳幼児や高齢者です。そうした人たちに対する効果はこれからです。今後の研究に注目していきたいと思います。(武蔵国分寺公園クリニック院長 名郷直樹)

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