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【九州の礎を築いた群像~JR九州編(7)】多角化編(1) 「手間」にこだわる うまや悲願の東京進出 「関連事業経験せぬ者に要職は任せない!」

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【九州の礎を築いた群像~JR九州編(7)】
多角化編(1) 「手間」にこだわる うまや悲願の東京進出 「関連事業経験せぬ者に要職は任せない!」

 東京・赤坂の赤坂不動尊近くにある創作居酒屋「赤坂うまや」。歌舞伎役者、3代目市川猿之助が監修した粋で落ち着いた和の空間で、九州の郷土料理を堪能できるとあって、いつも1週間先まで予約で一杯の人気店である。

 この店は九州旅客鉄道(JR九州)の子会社「JR九州フードサービス」が経営する。JR九州第4代社長、唐池恒二(60)が、JR九州グループの東京進出の第一歩として肝いりで推し進めたプロジェクトだった。

 オープンは平成14年2月2日午後2時。当時JR九州フードサービス社長だった唐池も九州から駆けつけ、店長の丸山直樹(42)らとともに緊張した面持ちで客を待った。

 だが、土曜日のビジネス街とあって、さっぱり来客はない。丸山らスタッフが不安そうに顔を見合わせていると唐池は笑顔で励ました。

 「大丈夫だ。必ずお客さまは来るから…」

 この言葉に奮起した丸山は「よし、みんなで呼び込みをしよう」とスタッフ数人を引き連れて東京メトロ赤坂見附駅付近に行き、チラシを配った。

 日が傾き、ポツリポツリと客が入り始めたかと思うと、あれよあれよという間に満席となった。電話も次々に鳴り、3週間先まで予約でいっぱいになった。しかもほとんどの客が帰り際に「安いですね」と笑顔を見せた。唐池は「これならば東京で成功できる」と確信した。

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