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【父の教え】日清食品ホールディングス社長・CEO 安藤宏基さん

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【父の教え】
日清食品ホールディングス社長・CEO 安藤宏基さん

 ■執念がひらめきを生んだ

 世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発明し、その後、「カップヌードル」も開発した日清食品の創業者、安藤百福さん。次男の宏基さん(66)にとって、幼い頃のイメージは「朝から晩まで考え続ける父」だった。

 百福さんが大阪府池田市の自宅裏に作った小屋でチキンラーメンの研究に取り組み、完成させたのが昭和33年。「おーい、手伝え」。小屋から百福さんの声が聞こえると、家族総出で出荷を手伝った。宏基さんの役目はラーメンを1つずつセロハンの袋に詰める仕事だった。

 「小学4、5年の頃でした。でも、おやじは一体、いつ眠っているのかと子供心にも不思議に思ったほどでした」。百福さんは午前4時頃から夜遅くまで開発に没頭。「おやじの性格の最大の特徴は執念」(宏基さん)で、「発明はひらめきから、ひらめきは執念から」との百福さんの言葉を今でも大切にしている。

 「完全主義者でした。大胆なのに細心さもあり、心配性。例えば、商品のロゴの字形でも納得するまで徹底的に考えていました」。完璧なものを世に出したい。百福さんの思いは実を結び、世界的なヒット商品を世に送り出した。

 そんな百福さんの考えは終生、変わらなかった。そのため、衝突したことも何度かある。

 亡くなる前年、百福さんが95歳のとき。自宅を訪ねた宏基さんは、東南アジアに工場を建てようという計画を話した。しかし、百福さんは「広げ過ぎるな。うまくいかない」。議論を続けたが最後には「俺がやめるか、お前がやめるか、どっちかだ」と怒り出した。

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