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【ゆうゆうLife】フランス生まれの認知症ケア「ユマニチュード」

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フランス生まれの認知症ケア「ユマニチュード」

 ユマニチュードは、フランス人のイブ・ジネストさんとロゼット・マレスコッティさんが完成させた。ケアの柱は、(1)見る(2)話しかける(3)触れる(4)立つ-の4つ。約150の技術があり、フランスの病院では向精神薬の処方が減ったり、スタッフの負担減により離職率が低下したりするなどの効果が報告されているという。

 本田医長は技法をフランスで学び、教える資格を得た。「ユマニチュードは、世の中にある『良いケア』を体系化したもの。個々の技術はこれまで行われてきたものでも、フランス的な哲学で裏打ちされ、包括的に行う点が新しさです。人は見つめてもらい、誰かと触れあい、言葉を交わすことで存在する。そして、死に至る日まで、できるだけ立つことで人としての尊厳を自覚する。こちらがそう対応を変えることで、患者も変わっていくのです」と言う。

 東京医療センターでは、本田医長の他に3人の看護師が初級インストラクターの資格を取り、実践している。導入で、治療に非協力的だった人が口の中に軟膏(なんこう)を塗らせてくれたり、ケアの際につばを吐いたり、ひっかいたりしていた人が「ありがとう」と言ってくれるまでになった。本田医長は「良好なコミュニケーションが持てるようになることでケアの困難な状況が改善し、患者本人と看護師双方の負担が減っている」と話す。

 この日、本田医長は医療職にこう語りかけた。「優しさを伝える技術は後天的に学習できる。個人の優しさを追求されると、うまくいかないときには心が折れて燃え尽きるが、ユマニチュードは技術として行うもの。つらい思いをせずに実践できるんです」

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