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【ゆうゆうLife】フランス生まれの認知症ケア「ユマニチュード」

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フランス生まれの認知症ケア「ユマニチュード」

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 フランス生まれの認知症ケア「ユマニチュード」が注目されている。ケアの方法を変えることで認知症の人も変わり、意思疎通が図れるようになるという。とりわけ、治療のために拘束や薬の使用を余儀なくされる医療機関で「人としてのケアができる」と評判だ。「魔法のよう」と称されるケアの一端を紹介する。(佐藤好美)

 「なんでそんなことするの!」

 ビデオから叫び声が流れた。総合病院の病棟で、2人の看護師が認知症の高齢者にケアをしている。看護師の物腰はごく自然なのに、老女は悲鳴を上げる。看護師らは困り果てた様子だ。

 ビデオを見せた後、国立病院機構「東京医療センター」総合内科の本田美和子医長が、集まった医療職らに声をかけた。

 「皆さん、高齢の認知症の方に快適な生活をしてもらおうと思い、なんとか役に立ちたいと思っているのに、そうならない不条理さを日々、感じているのではないでしょうか」

 続いて本田医長は、ユマニチュード実施から数日後、同じ女性が穏やかにケアを受ける映像を流した。女性は「怖くて怖くて、泣いていたのよ」と話していた。対応するのは同じ看護師だが、一人はケアに専念し、もう一人は女性のごく近くから顔を見つめ、話し相手に徹している。

 先月、東京都内で「病院職員のための認知症研修会」が開かれた。主催は「全日本病院協会」(西澤寛俊会長)。招かれた本田医長が約160人の看護師やリハビリ療法士らに「ユマニチュード」を講演。ワークショップを行った。

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