産経ニュース

【いいたて通信(4)】「人生が落ち着くかと思った」飯舘村にはすべてがあった…

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【いいたて通信(4)】
「人生が落ち着くかと思った」飯舘村にはすべてがあった…

 マイホーム購入後、夫が仕事が終わってから直してくれた水道管。しかし、地震で給湯器が壊れて水などが出ないため、掃除もままならない状況だ。

 ローンなどもあり、夫は家を手放したいと考えているが、自分は残したい気持ちもある。

 「今すぐは帰れないけど、おじいちゃんおばあちゃんになったら帰れるんじゃないかなって思う。だから残しておきたいなって」

 国や村には期待はしていない。帰る帰らないじゃなくてそれぞれの生き方を尊重してほしいと指摘する。

 「飯舘にはなんでもあった。不便だと思うことはなにもなかった。生まれたころからの生活なんだからあのままの暮らしがよかったんだよ」

 佳那さんは高校卒業後、神奈川県鎌倉市の学校に入学したが、雰囲気になじめず体調を崩すなどしたため、飯舘村に戻ってきたという。村の暮らしが合っていると心から感じていた。子供たちにも自分が経験した村での遊びや文化、歴史を経験してほしかったという。

 「子供たちはもうあまり飯舘村の記憶はないよね。カブトムシ取りに行ったり、山菜採りに行ったり、もうちょっと大きくなったら一緒にやりたかったよね」と寂しそうに話した。

 福島市での生活には慣れてきたという。さまざまなものを奪った原発事故だが、いつまでも恨み言を言い続けたくはないと話す。

 「がむしゃらにやれば新しい生き方もみつけることができる。すべて元に戻してほしいと思うけど、子供は大きくなるし、家だってまたほしい。自分は自分で生きたい。村や国はその気持ちを尊重してほしい」と言い切った。

「ライフ」のランキング