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【いいたて通信(4)】「人生が落ち着くかと思った」飯舘村にはすべてがあった…

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【いいたて通信(4)】
「人生が落ち着くかと思った」飯舘村にはすべてがあった…

 栃木県鹿沼市や福島市などに逃げた後、いったんは村に戻ったが、4月に仕事を辞め伊達市霊山町へ避難した後、現在の福島市のアパートに落ち着いた。

 しかし、霊山町のアパートの玄関付近の線量も高く、引っ越し先がないか探す日々が続いた。家族でいるか自分も働くか。悩んだ末に家族でいることを選んだ。

 「普通は危ないものって悪い方に考えるよね。大丈夫だって言われても、何がよくて何が悪いかわからなかった。ひたすら怖がっていたよ。子供には帽子かぶせてマスクさせて、歩くのも怖いからだっこしていたし」

 村で働いていた夫は福島市でトラック運転手の仕事を始め、2日以上家を空けることが多くなった。

 賠償や線量の高さ、水、食べ物、将来のことなど、落ち着いたと思った人生に大きな不安や心配がのしかかってきた。 

 今でも自宅の窓は極力開けないようにしている。自分も子供もマスクを着用している。

 通学途中の側溝の近くなどは不安がよぎるが、「カエルだー」と無邪気にはしゃぐ長女の姿に胸をなで下ろす時もある。

 「マスクは外す時期がわからないよね。子供はストレスを抱えているかもしれないから申し訳ないけど、楽しんでいる姿には感謝している。甘えているかもしれないけど」

 今年3月、震災から2年の節目ということもあり、1人で村の墓参りに行った。子供たちは村には連れて行っていない。

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