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【中高生のための国民の憲法講座】第9講 極東委員会という「屋上屋」 西修先生

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【中高生のための国民の憲法講座】
第9講 極東委員会という「屋上屋」 西修先生

 日本国憲法の成立に際し、連合国軍総司令部(GHQ)のほかに強く関与した機関として、極東委員会があります。極東委員会は、日本の占領管理について連合国の最高の政策決定機関であり、昭和21(1946)年2月26日に発足してからは、GHQもその決定に従わなければなりませんでした。

GHQのお目付け役

 日本国憲法の作成に関しても、GHQを通じてかならず極東委員会の同意を得ることが必要とされていました。

 委員会(米、英、仏、ソ連、中国など11カ国=のちに13カ国=で構成)はワシントンにおかれ、その出先機関として連合国対日理事会(米、ソ連、中国、英連邦代表)が東京に設けられました。委員会のなかには、ソ連やオーストラリアなど、天皇制の存続に反対の態度をとっている国ぐにがありました。

 天皇を象徴として残そうという意思をもっていた連合国軍最高司令官・マッカーサー元帥が、総司令部内で日本国憲法草案(総司令部案)の作成を急がせた大きな理由がここにあります。委員会が動き出す前に、既成事実を作ろうとして、2月13日に総司令部案を日本側に提示したのです。

 極東委員会は、総司令部が主導して日本国憲法が制定されて行くのを快く思っていませんでした。マッカーサーに対して、説明のため部下の派遣を求めましたが、マッカーサーはこの要請をことわりました。

 マッカーサーは、総司令部案を基にして帝国議会で進められている審議を妨げられたくないと思ったのです。なにやかやと干渉してくる極東委員会と連合国対日理事会を毛嫌いしていました。

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