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【中高生のための国民の憲法講座】第8講 現憲法は「メードインUSA」 西修先生

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【中高生のための国民の憲法講座】
第8講 現憲法は「メードインUSA」 西修先生

 日本国憲法は、どのようにして作られたのでしょうか。ここで一つ一つの出来事を述べる余裕はありませんが、日本国憲法の運命を決定づけた日、それは昭和21(1946)年2月13日のことです。

共産主義国になるのか!

 この日、外務大臣官邸に連合国軍総司令部民政局長・ホイットニー准将ら4人が『日本国憲法』という題のついた英文の文書をたずさえてきました。かれらを迎えたのは、吉田茂・外務大臣と松本烝治(じょうじ)・国務大臣です。

 ホイットニーがまず口を開きました。「松本大臣、あなたの烝治という名前は、初代大統領、ジョージ・ワシントンにちなんだそうですね」「はい、父がワシントン大統領を尊敬していましたので」

 うちとけた雰囲気は、そこまででした。ホイットニーが言葉を継ぎました。「ところで、あなたがたが先日、提出された憲法改正案は、自由と民主主義の文書として、受け入れることのできないものです。連合国軍最高司令官、マッカーサー元帥は、日本の事情が必要としている諸原理を実現する文書として、この草案をあなた方に渡すよう、私に命じました」

 2人の大臣がびっくり仰天したことは、いうまでもありません。まさか、総司令部で日本の憲法草案が作成されていたとは…。しかも、前文が付され、11章92カ条からなる完全に憲法典の体裁が整えられています。内容を見て、さらに驚きました。第1条に、天皇はシンボルと書いてある。「シンボルって何だ?」。第2章のタイトルは「戦争放棄」になっている。もう少し見ていくと、第28条に、土地は国有と定められている。「日本は共産主義国家になるのか?」。2人は、ただ呆然(ぼうぜん)とするだけでした。

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