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終戦へ共産国家構想 陸軍中枢「天皇制両立できる」

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終戦へ共産国家構想 陸軍中枢「天皇制両立できる」

 同年4月に陸軍参謀本部戦争指導班長、種村佐孝大佐がまとめた終戦工作の原案「今後の対ソ施策に対する意見」でも、(1)米国ではなくソ連主導で戦争終結(2)領土を可能な限りソ連に与え日本を包囲させる(3)ソ連、中共と同盟結ぶ-と書かれている。

 陸軍内の動きについて、近衛文麿元首相は20年2月、「国体護持にもっとも憂うべき共産革命に急速に進行しつつあり、共産分子は国体(天皇制)と共産主義の両立論で少壮軍人をひきずろうとしている」と上奏文で天皇に警告した。

 また、真珠湾攻撃目前の16年10月、ソ連のスパイ、リヒャルト・ゾルゲの協力者として逮捕された尾崎秀実は「(われわれの目標は)コミンテルンの最終目標である全世界での共産主義革命の遂行」で、狭義には「ソ連を日本帝国主義から守ること」と供述している。

 岸信介元首相は、25年に出版された三田村武夫著『戦争と共産主義』序文で「近衛、東条英機の両首相をはじめ、大東亜戦争を指導した我々は、スターリンと尾崎に踊らされた操り人形だった」と振り返っている。(岡部伸)

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