産経ニュース

貧困の子供に学習支援 民間団体が「無料塾」の試み

ライフ ライフ

記事詳細

更新


貧困の子供に学習支援 民間団体が「無料塾」の試み

 子供の貧困率が先進国の中でも高い日本。親から子への「貧困の連鎖」を食い止めるため、国や自治体、民間団体が動き出している。その一つが、教育を受ける機会の平等を目指す学習支援だ。親の収入が子供の進学に影響するという調査結果もあり、無償で学習塾を開くなどの対策に乗り出している。(佐々木詩)

                   ◇

同じ能力でも

 「今日は、みっちり漢字をやろうかなあ」。大阪府富田林市の旧街道沿いにある米屋の一角。「学び合い無料塾・地球小舎(てらこや)」代表の中尾安余さん(59)が声を掛けると、中学2年の男子生徒(14)は「ええー」と照れたように声を上げた。大阪市内のフリースクールに通いながら無料塾にも顔を出す。「ここなら通いやすいかなと思った。みかんさん(中尾さんの愛称)といると楽しい」と笑う。

 無料塾は毎週水曜日、米屋のスペースを借りて運営している。小学校の非常勤教師らがボランティアで子供の宿題を中心に苦手な科目などを見る。年間の登録料1千円と希望者は食事代1回300円が必要で、教材は自分の使いたいものを持ち寄るシステム。授業料は無料だ。昨年6月にスタートし、現在は7人の生徒が通っている。

 中尾さんはもともと不登校の子供とその親をサポートする活動をしていた。その中で、低所得層を含むさまざまな事情を抱える子供たちへの学習支援の必要性を感じたという。

 中尾さんは「塾の月謝が払えない子も多い。同じ能力の子供でも、受けられるサポートの違いで差が出てきてしまう。貧困の連鎖が生まれることは明確です」と言い切る。

「ライフ」のランキング