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【解答乱麻】バッカーズ寺子屋塾長・木村貴志 いま求められる志の教育

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【解答乱麻】
バッカーズ寺子屋塾長・木村貴志 いま求められる志の教育

 「志の教育」を実践し、多くの子供たちや若者たちが「生きる」ことに真剣に向き合い、生き生きしていく姿を見るのは何物にも代えがたい大きな喜びだ。「志」の大切さを伝えるためには、まず「志とは何か」を伝えることが大切だ。「志」と同じような意味を持つ言葉に「夢」がある。講座の開始時に「夢と志はどう違うのか」に触れ、「ビジョン」をつくることの大切さも伝える。

 その第1の違いは「考え抜き、信念に基づいているか否か」ということだ。「私の夢ははかなく消えた」「そんな夢みたいなことを言ってどうする」とは言っても、「私の志ははかなく消えた」「そんな志みたいなことを言ってどうする」とは言わない。つまり、夢は実現可能なものも指すが、思いつきや誇大妄想的なものをも含んでいる。夢の語源は、寝ているときに見る「寝目(いめ)」が、平安時代に「ゆめ」に転じたもので、元来、はかなさを比喩的に表す語であった。将来の希望を指す語として使われ始めたのは明治以降だという。私たちの先達は、心が指し示す(心指す)方向にしっかりと歩んでいくことを、「志」と言ったのだ。

 第2の違いは「人々のため、社会のためであるか否か」ということだ。「私の夢は将来10億円の豪邸に住むことだ」とは言えても、「私の志は将来10億円の豪邸に住むことだ」とは言えない。つまり「夢」は私的なものであっても構わないが、「志」となれば、人々のため、社会のためといった「公的」なニュアンスを含む。人々の役に立つことをミッションとし、わが喜びとする生き方は人として素晴らしい。人生を大いに「志高く」生きたいものだ。

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