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【転機。話そう、話しましょう】(95)明治大学教授の斎藤孝さん

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【転機。話そう、話しましょう】
(95)明治大学教授の斎藤孝さん

 「2冊目の著書『子どもたちはなぜキレるのか』(ちくま新書)を出版した後のこと。ある新聞社の記者さんが話を聞きにきたのです。持論を展開し『こんな本が世の中にはない』と言ったら『じゃあ書いてみたらどうですか?』と編集者を紹介してくれた」

 こうして平成13年9月、世に送り出した著書「声に出して読みたい日本語」(草思社)は大ベストセラーとなる。一気に斎藤さんは時の人となり、音読がブームに。そして取材や執筆依頼が押し寄せるようになった。

 宝くじが当たったような大展開。この時、40歳を超えていた。

 山あり谷ありの人生を経てきたが、なかなか花が開かないと不遇感を嘆く人々に伝えたいことがあるという。

 「呼吸と同じで人生には『溜め』と『吐き出す』時期がある。不遇時代でも自分はこんなもので終わらないと人生を諦めず、内実ある本の知恵を血肉化し溜める。そして虎視眈々とチャンスを狙う。チャンスは一つ一つ、必ずやってくるので絶対に離さずに、つかみ取って、不遇時代の溜めを吐き出す。人生を好転させる秘(ひ)訣(けつ)は、これに尽きると思う」

    ◇

 --日々分刻みのスケジュールですね

 「どんどん書きたいエネルギーがあふれてきます。貧乏性はなかなかなおりません(笑)。30歳過ぎまで無職で子持ちで生活費に困った経験があるので仕事を断れない。でも貧乏時代はいいものです。大切なものをつかみとろうという野生感覚が研ぎ澄まされます」

 --著書でも貧乏の力について語っています

 「どんな手を使っても、もうけてやるという倫理観の欠如は良くない。そうならず、貧乏を力に変えるために読書をお勧めします」

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