ユネスコ無形文化遺産に日本の「伝統建築工匠の技」登録決定 - 産経ニュース

ユネスコ無形文化遺産に日本の「伝統建築工匠の技」登録決定

 オンライン会議により開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間委員会は17日、無形文化遺産に日本の宮大工や左官職人らが継承する「伝統建築工匠(こうしょう)の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」を登録することを決定した。国内の無形文化遺産は計22件となった。
 伝統建築工匠の技は、建物の木工や装飾、彩色(さいしき)、漆塗りに加え、屋根の茅葺(かやぶき)や瓦葺(かわらぶき)、建具や畳の製作など17分野の技術で構成。木や草、土などの自然素材で地震や台風に耐える構造と豊かな建築空間を生み出してきたとされ、奈良・法隆寺をはじめ日本の伝統的な木造建築を支えてきた。現在も寺社や古民家の修理には不可欠となっている。
 古くから大工の棟梁(とうりょう)らが弟子を鍛えて知識や技術が継承されてきたこと、一部作業には地域住民が関わるケースもあり、社会の結束を強める役割を担ってきたことなども評価された。
 また、建造物そのものだけでなく、それを支える技術を文化遺産として登録することで、国際社会での無形文化遺産の保護の取り組みに大きく貢献できるとする日本政府の主張に対し、ユネスコ側は「日本が無形文化遺産と有形文化遺産との本質的な関係に光を当てた」と称賛した。
 近代化を背景とした後継者不足により、技術の継承が課題となっており、いずれの技術も国が文化財保護のため「選定保存技術」に選び、全国14団体が保存団体に認定されている。政府は2019年3月、ユネスコに登録を申請していた。
 政府は「伝統建築工匠の技」の次の候補として、豊作祈願や厄払いなどの踊り「風流踊(ふりゅうおどり)」を申請した。22年に可否が決まる見込みとなっている。
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 無形文化遺産 2006年発効の無形文化遺産保護条約に基づき、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が登録する伝統芸能や工芸技術、祭礼行事など。歴史的建造物や自然環境を対象とする「世界遺産」と並ぶユネスコの遺産事業で、今年9月現在の登録総数は463件。これまで日本からは歌舞伎や能楽、和食など計21件が登録されていた。