豊洲市場 売り込み必死 開場まで一カ月 取扱量減少傾向、赤字業者多く…

 
築地市場の取扱量

 築地市場(東京都中央区)から移転し新たな都の中央卸売市場となる豊洲市場(江東区)の開場を10月11日に控え、都の担当者や市場関係者が各地の産地などへのPRを強化している。全国的な市場取扱量の減少の流れに逆らえず、赤字経営の業者を多く抱えるためだ。関係者は「新たな市場で存在感を示せなければ本当のピンチを迎える」と危機感を抱く。

 今年6月、千葉・銚子漁港に築地市場で働く業者や都担当者の姿があった。豊洲市場移転をPRする産地での第1弾説明会。産地関係者に向け、都の担当者は、豊洲市場が産地から消費者まで低温管理で商品を届けられる物流方式を備えるなどの利点を訴えた。

 都では以降、全国各地の漁港で説明会を開催し、産地の生産者らに対して、豊洲市場の魅力発信に腐心してきた。流通業者や消費者向けの各種イベントにも参加。都の担当者は「これから豊洲を世界の市場に育てなければならない。あらゆる機会を利用し、新たな市場を売り込んでいきたい」と力を込める。

 中央卸売市場を取り巻く厳しい現状が、ここ数カ月の関係者の動きに直結している。大手のスーパーなどが市場を通さずに直接仕入れを行う「市場外流通」が増え、全国的に市場の取扱量は減少傾向にある。水産物の取り扱いでは世界最大級の築地市場も例外ではない。水産の取扱量は平成29年で約38万5千トン。19年の約56万8千トンから10年間で約7割まで減少した。

 また、築地市場では元年に1080あった水産仲卸業者が28年には558までほぼ半減。同年の水産仲卸業者の経常赤字の割合は約35%と厳しい経営状況も続く。都幹部は「今のままでは業者の淘汰(とうた)がどんどん進む。手遅れになる前に豊洲を軌道に乗せなければ」と危機感を募らせる。

 ある仲卸業者は「市場の取扱量が減少する流れを止めるのは至難の業」とする一方「衛生面で格段に進歩した豊洲市場に仲卸の目利きの力が加われば、必ず良いものを売れる」との自負もあるといい、産地や消費者を取り込む方策を練る。