サラベス品川店 「ニューヨークの朝食」の女王

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看板メニューの2品。手前はふわふわの食感で20年以上愛され続けている「フラッフィー フレンチトースト」(1250円)。奥の「クラシック エッグベネディクト」(1450円)はぷるんとした半熟卵が日本で大人気(いずれも税別)=宮川浩和撮影

 オードリー・ヘプバーン主演の不朽の名作「ティファニーで朝食を」。その舞台となった米・ニューヨークに、朝食で名声を博したレストラン「サラベス」がある。6年前に海外で初となる東京にオープンし、日本で5店舗を展開。朝食欠食率の高い若い女性をもとりこにしている。(榊聡美)

 ■軽い食べ心地

 大きく取られた窓から、やわらかな光が店内に降り注ぐ。分厚いフレンチトーストや、果物をふんだんに添えたパンケーキが運ばれる度に、あちこちのテーブルで笑顔の花が咲く。

 サラベスのこんな光景は東京もニューヨークも変わりない。看板メニューも米国のレシピそのまま。豪快で重く感じる米国料理が多い中で、日本人を魅了した理由は“軽さ”にある。

 日本国内のメニュー開発を手掛ける、エグゼクティブシェフの津留見和彦さん(48)にその秘密を聞いた。

 日本で大人気の、イングリッシュマフィンにポーチドエッグをのせたエッグベネディクト。通常、マフィンは重しをのせ、厚みを抑えて焼くところを、あえて重しをせずに膨らませて焼き上げる。仕上げにかけるオランデーズソースはレモン果汁をアクセントにし、さっぱりした味に。軽快な食べ心地でぺろりと平らげることができる。

 フレンチトーストは、「ハッラー」というユダヤの伝統的な編みパンを使用。卵液を中まで染み込ませず、表面にくぐらせるだけで焼き、ふわふわの食感を生み出している。

 ■始まりはわずか6席

 「米国の朝食メニューとしては定番だけれど、他の店とはひと味違う。濃い味や脂っこいものが苦手なサラさんの嗜好(しこう)と、独特のセンスが生かされています」

 “サラさん”とは、「ニューヨークの朝食の女王」とたたえられる、オーナーのサラベス・レヴィーンさん。75歳となった今でも現役で毎日、仕事場のキッチンで腕を振るっている。

 津留見さんは、「とにかくエネルギッシュで、来日ごとに全メニューを試食。もっとおいしくしたいと、パンケーキのレシピはこれまで4回も変更されています」と明かす。

 現在、世界5カ国22店舗に広がるサラベスの始まりは、6席しかない小さなベーカリーだったという。

 ■多彩な食文化

 シングルマザーで、2人の子供を育てるために水着デザイナー、歯科助手など職を転々としていたときに、フルーツスプレッドを手作りし、売り出した。微量の砂糖と果物だけで作るスプレッドは、ジャムより低糖度でヘルシー。評判は口コミで広まった。そして、朝食にこのスプレッドを味わってもらおうと、1981(昭和56)年にベーカリーを開いた。

 焼きたてのパンとコーヒーからスタートし、オムレツなどの食事メニューを拡充させながら席数を増やして、行列が絶えない人気店に。手の届く価格でぜいたくな気分に浸れる朝食は、ニューヨークはもとより、日本でもブームを呼んだ。

 駅ビルの中にある品川店は、ビジネスマンや旅行者など男性客も多く、夜はビストロとしての顔も併せ持つ。お酒を飲みながらディナーを楽しむ人、朝食メニューに舌鼓を打つ人が入り交じり、ニューヨークならではの多彩な食文化が息づいている。

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 ■サラベス品川店 東京都港区港南2の18の1、アトレ品川4階。午前9時~深夜0時(日・祝日は午後11時まで)。無休。フレンチトーストやパンケーキは夜まで注文可。夜はクリスピーローストチキン(2550円・税別)などお酒に合う料理がそろう。(電)03・6717・0931。

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