電卓で会計、ペットボトルでランタン…停電復旧進むもまだら、店舗や医療に影響続く

北海道震度7地震
商業施設「赤レンガテラス」で、列をつくりスマホや携帯電話を充電する人たち。市の職員が昨日夕方から夜通しで対応に追われた=7日午前、札幌市中央区(宮崎瑞穂撮影)

 札幌市内では7日、地震による停電が徐々に解消しているものの、市民生活への影響は続いた。店舗も再開し始めたが、品薄が続く陳列棚に客が殺到。住民からは「早く日常に戻ってほしい」と悲鳴に似たため息が漏れた。

 札幌市中央区の北海道庁前のコンビニエンスストアでは入店制限を実施。歩道には列ができ、新聞を片手に順番を待つ市民の姿もみられた。

 男性会社員(63)は「自宅はまだ電気が通じていない。コンビニは助かります」。札幌市北区の会社社長、杉山貴代子さん(53)も「営業してくれてありがたい。電気などライフラインが人によって守られていることを再認識した」と話す。

 再開したガソリンスタンドにも長蛇の列ができた。西区の会社員、佐藤篤史さん(45)は「これから会社に向かう。車通勤だから30リットル入れるだけでも助かる」と話す。スマートフォンや家電の電源として車を使うために給油する人も散見された。

 電気を失って2日目を迎えた7日も一部では停電は続いた。それでも札幌市白石区の八百屋「畠山商店東札幌店」は店を開いたという。

 市場も競りが行われなかったが、業者から調達して軒先にキュウリやキャベツ、ニンジンなどを並べた。レジも動かず電卓で会計。ただ、店には客が殺到している。出町拓哉店長(31)は「停電でもお客さんが少しでもおいしいものを食べられるようにと思って開いている」と話した。

 医療現場の混乱も続いた。札幌市中央区の「田畑産婦人科」は停電で休診が続き、再開のメドは立っていない。地震があった6日午前中には、この病院で出産した女性らがミルクなどを求めて不安そうに集まったという。

 断水が続く市内の住宅街に住む50代の女性は、給水車の列に加わった。「衣類の洗濯も調理後の洗い物もたまるばかり」とため息をついた。

 電気も通じず、ペットボトルで懐中電灯の光を増幅させたり、親類に携帯電話の充電を頼んだりしてしのいでいる。

 営業店舗が限られる中、家族3人分の食材を手に入れるのも一苦労で「ガソリン給油の列で何時間もかかった。生活が戻った地域もあるというが、まだ先が見えない」と疲れ切った様子で話した。